社長ブログ

「 月別アーカイブ:2013年11月 」 一覧

新手の偽通販サイトの被害が急増していますので、ご注意ください!

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前回、「3回で お馴染みさん・10回で ご贔屓さん」
の話をすると申し上げて
おりましたが・・・

 

ここ数年、被害が広まっている「偽通販サイト」問題について
最近、新手の被害が急増していますので・・・

 

今回は急きょ話題を変更して
皆様に注意喚起をしたいと思います。

 

従来の「偽装通販サイト」は、存在しない会社の
サイトで、日本語が変だったりしましたが・・・

 

最近は「本物のサイトをコピーした偽装サイト」
現れるようになりました。

タチが悪いのは、店名も、商品も、連絡先も
本物と全く同じ・・・という点です。

 

つまり、「偽装サイトの犯人は、金を騙しとる」けど
クレームは、「本物のサイト」に来る・・・のです。

これら「偽通販サイト」は、本店サイト(独自ドメインサイト)を
コピーした「偽装ネットショップ」 が確認されていましたが・・・

 

最近は、ショッピングモール内のサイトであっても、
「偽装コピーサイト」による被害が出没しています。

 

以下に 『被害例』を書きます。

 

被害例1

 

鈴木さん(仮名)が、ネットショップ(A楽器店)でトランペットを購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「A楽器店の連絡先」に問い合わせたら、
A楽器店は 鈴木さんからの注文を受けていなかった。

 

●実は、鈴木さんが見たネットショップは、
「A楽器店が構築したネットショップ」ではなく、
「別人が構築したネットショップ」(B)だった。

 

●「B」は、ネットショップである 「A楽器店」に見せかけ、
消費者から注文を受けて、振り込ませ・・・
実際には商品を発送せずに代金をだまし取る「偽サイト」だった。

 

【補足説明】

 

偽サイト(偽装ネットショップ)である「B」は、
本物のサイト(A楽器店)と全く同じコピーのサイトで、

店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、
連絡先の住所や電話番号も全く同じ。

 

『A楽器店』 と 『B』とが異なる点は、振込先。

「A楽器店」は、支払方法がクレジットカード、
代引き、銀行振り込み となっていますが・・・

「B」は、支払い方法が銀行振込のみ

「B」で商品を注文して、記載されてあった銀行振込口座に
振り込んだ鈴木さんには、商品が届かず・・・。

 

鈴木さんは「おかしい」と思い、
「B」に記載されてある連絡先(A楽器店)
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
A楽器店側には注文のデータ自体がない・・・。

 

A楽器店は、「注文データの加工ミス」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。

振込履歴を確認したが、そんな振込はない。

振込先を聞くと、A楽器店の振込先ではない
まったく知らない振込先(Bの振込先)だった。

 

 【経過】

 

●「A楽器店」は「B」の存在を知り、
「B」にメールでの警告を行ったが、なしのつぶて・・・

 

●「A楽器店」は警察に相談。

 

●「B」の記載していた口座は、
日本人が外国人に売却した銀行口座だった。

 

●「B」が「外国人による詐欺サイト」であることが判明し
「B」の口座は凍結されたものの、警察からは
「現段階では銀行口座凍結しかできない」と言われた。

 

なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。

 

被害例2

 

田中さん(仮名)が、ネットショップ(C鞄店)でブリーフケース商品を購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「C鞄店の連絡先」に問い合わせたら、
C鞄店は、田中さんからの注文を受けていなかった。

 

●田中さんが見たネットショップは、
「C鞄店」が構築したネットショップではなく、
別人が構築したネットショップ(D)だった。

 

●「D」は、「C鞄店」に見せかけ、消費者から注文を受けて、
パスワードやクレジットカード番号、個人情報などを盗み取る
「フィッシング詐欺のための偽サイト」だった。

 

 

【補足説明】

 

フィッシング詐欺サイト(偽装ネットショップ)である『D』は、
本物のサイト(C鞄店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、連絡先の住所や電話番号も全く同じ。

 

「C鞄店」も「D」も、支払方法はクレジットカード、
代引き、銀行振り込みとなっており、

銀行振込先は、「C鞄店」と同じ振込先が
記載がされていた。

唯一異なったのは、「クレジットカード払い」の際の画面。

 

田中さんは「D」で、クレジットカードで支払いを
行おうと、画面を進むと、

 

「不正使用防止のため」と称して、カード名義人、カード番号、有効期限、
暗証番号等を入力する画面が現れた。(C鞄店には現れない画面)

 

田中さんは入力して注文。

でも、田中さんには商品が届かない。

 

田中さんは「おかしい」と思い、
「D」に記載されてある連絡先(C鞄店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、

「C鞄店」側には注文のデータ自体がない・・・。

 

「C鞄店」は、「受注システムの不具合」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
田中さんは「クレジットカードの入力ミスかな?」と思い
別の店でブリーフケースを購入。

 

しかし、数ヵ月後・・・
田中さんのもとにクレジットカードの明細書が届いてびっくり!
身に覚えのないクレジット購入明細が数10万円もあった。

 

 【経過】

 

●「C鞄店」は、「Dに商品を注文した消費者」からの
問い合わせが続いたことから、「D」の存在を把握。
警察と弁護士に相談。

 

●Dが「フィッシング詐欺の偽サイト」であることは判明したものの、
「現段階では何も出来ない」と警察からは言われた。

 

●なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。

 

対応策

 

これら『偽装ネットショップ』は、
簡単に作れてしまう時代になってしまいました。

 

昔の詐欺サイトのように『変な日本語』ではなく、
完全に「まるごとコピー」で、一部分だけ変えるという
巧妙な方法に進化してしまったからです。

 

詐欺にあった人だけでなく、
コピーされてしまったネットショップにとっても
たまったものではありませんが・・・

 

このような詐欺を 100%の確率で完全に防御できる対策というのは、
今のところ存在していません。

 

もし、このような詐欺サイトが出没してしまった時の対策としては・・・

 

(1)サーバー管理者をAGUSEで確認

(サーバーが海外か日本かだけでも知っておくと良いでしょう・・・)

 

(2)警察に相談し、場合によっては刑事告発
(全国のサイバー犯罪相談窓口一覧

 

(3)正規サイトのURLをお客さんに確認してもらうよう、ページ上で注意喚起。

 

(4)Googleに対して、違法コンテンツを申し立て

検索結果に出ないようにしてもらう。

 

(5)Googleに対して、著作権侵害を申し立て

検索結果に出ないようにしてもらう。

 

※ 詐欺サイトのコンテンツそのものを削除するわけではなく、
あくまでもGoogleのインデックスから削除されるだけです。(←でも一定の効果はあります)

 

(6)Yahoo!JAPANに対して、著作権侵害に関する違反申告

 

(7)フィッシング対策協議会に相談。

ガイドラインに沿って対応する。

 

最後に

 

いずれにせよ、大切なことは、偽サイトによって
企業の信用も低下してしまいますので、
速やかに対応策を講じて、
被害の発生・拡大を最小限にとどめるよう努めることです。

 

対応が遅れることは、顧客のみならず
企業自身の信頼も大きく損なわれることに
なってしまうからです。

 

ネットショップ運営に活かせるヒントは、京都の祇園にある?

 

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EC業界は、昔までは「アクセス数を稼ぐ」ことに注力している方が多かったです。

 

一昔前に流行った

「アクセス数を増やす狙いで実施した プレゼント企画」

が、その典型例ですね。

 

プレゼントに応募してきた人達が「顧客として価値が無い」

とまでは言いませんが・・・

 

決して、歓迎すべき顧客層ではありませんよね。。。

 

 

昨今では「アクセス数を競い合う」よりも 

「顧客として意味のある層の人とのリレーションの構築」

が重視されてきていますが・・・

 

いまだに

「アクセス数を上げなきゃ!」

と、一所懸命になっておられて・・・

 

肝心な事が出来ておられない方を散見しますので、

 
今回はその話題を書きます。
「リレーション」 とは・・・

「関係」「つながり」です。

 

最近、顧客関係性強化のことを

 【CRM】Customer Relationship Management

 

などと、格好よく英語で言い始める風潮がありますが・・・
要は「おもてなし」です。

 

 

「おもてなし」の大きなヒントは、

京都祇園にあります。

 
祇園は、400年以上続いている

「おもてなし商売の街」です。

私は(こう見えても?)

京都の老舗の蔵元6代目

でもあるので、

若い頃に 父に連れられて

祇園の花街で飲む機会が多かったのです。

 
京都に来られたお客様を接待する際、

父が「祇園」をセッティングしたときは

「あ、今夜のお客様は、VIPなんだな」

と察知したものです。

 

(父が他界してから行かなくなったので、もう10年以上 遠のいてますけど・・・)

 

 

祇園の花街には

「お茶屋」「置屋」

があり、

「女将」「芸妓」「舞妓」

という人がいます。

 

「お茶屋」

お客をもてなす場所です。
お客の要望に応じて、

お座敷やお酒、料理、接待する人を準備してくれる

「エージェンシー」の様なものです。

 

「置屋」

芸妓、舞妓を抱える「プロダクション・所属事務所」の様なものです。

 

お茶屋の

「女将」は宴会の演出家、 

「芸妓・舞妓」はタレント

といったところでしょう。

 

ちなみに「舞妓」は修業段階で、レベルが上がると「芸妓」になります。

 

 

「お茶屋」は、

ヨーロッパでいうところの「クラブ」や「サロン」

といった感じで、客と花街の接点になります。

 
このお茶屋という場所は不思議なところでして・・・

メンバーシップを

決めるのは女将

なんです。

 

 

基本的に信頼関係が築けなさそうな人は、

いくらお金を払っても

相手をしてくれません。

 
メンバー表がある訳でもなく、

会員証がある訳でもなく、

メンバーになった人でも、

他に誰がメンバーなのかさえ解らない・・・

 

そんな所です。

 

 

そんな祇園の花街を代表する言葉

「一見(いちげん)さんお断り」

 

です。

 

 

要は

「初めてのお客は受け入れない」

というシステムですね。

 

なぜ、こんなシステムがまかり通っているのか?

というと・・・

 

「花街の支払いはツケが原則だから、誰かの紹介でないと回収できないから」

とか

 

好みわからない一見さんだと、最高のおもてなしが出来ないから」

とか

 

VIPが隠れ場で来る祇園の秘守性を守るために、身元不明者の出入りを制限するから」

など、

 

評論家などが、もっともらしく語っておられますが・・・

 

 

実際に以前、女将さんや芸妓さんに聞いたところによると・・・

「常連さんに、気持ち良く過ごしてもらうため」

 

だそうです。

 
要は

 

「得体の知れない “新規客”の獲得には走らず」

「“常連客” を 依怙贔屓(えこひいき)する」

 

というスタイルなのです。

 

つまり
「アクセス数は気にしない」

「リピート客との関係の維持が最重要」

 

という事です。

 

 

祇園は顔が見える小さなコミュニティーなので、こういった事が

400年も続いているともいえますが・・・

リアルの場がない

ネット通販でも、似たような関係

つくれると思います。

 

 

 

昔、祇園の女将さんに教わった

 

 

『3回で お馴染(なじ)みさん』

『10回で ご贔屓(ひいき)さん』

 

という言葉もありますが、

この話の続きは、また次の機会に・・・。

 

「謝罪会見」に役立つ2冊の本をご紹介します

 

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「コンプライアンス経営」という言葉が一般的になって随分と歳月が経ちますが・・・

 

ホテルでの偽装表示問題が次々と明るみになり・・・

とうとう百貨店にまで広がり・・・
多くの会社で謝罪会見がありました。

 

また、ネットショップでは、課題演出した店舗が
景品表示法違反の恐れ・・・

という事までおこりました。

 

これも「一種の偽装」ともいえますね。

 

 

このニュースが、広がりを見せると、
また、次々と 謝罪会見が行われるでしょう。

 

6年前の「船場吉兆の偽装問題」では、謝罪会見を行ったものの・・・

かえって世間の失笑を受けて、とうとう破産手続きにまで至りました。

 

個人の不祥事ももちろんですが、社会性のある企業の不祥事ともなれば、

その対応如何によっては

「企業生命を失う」

ことに繋がる訳です。
この「不祥事」ですが・・・

 

「うちの会社は法律違反はしていない」と思っていても
「倫理的におかしい!」と批判されたりします。

 

つまり・・・

 

「不祥事のモノサシ」というのは、
時代や環境、世情によって変わってくるものでして・・・

 

皆さんの会社が「不祥事に巻き込まれる可能性」というのは0%ではなく、
対岸の火事として笑ってばかりおれないのではないでしょうか?

 

情報化社会の中、危機におけるマスコミ対応というのは極めて重要になります。
現場での対応と同時に、マスコミ対策や記者会見は、もう一つの戦いでもある訳です。

 

 

なぜなら、マスコミ対応は、

「マスコミの先にある世間との重要なコミュニケーション」

でもあるからです。

 

 

そういった危機管理・・・

とりわけ「クライシスコミュニケーション」に役立つ
2冊の本をご紹介します。

 

1冊は、私のお師匠・佐々淳行先生の著書

わが記者会見のノウハウ―スキャンダル克服の秘訣」

です。

 

佐々先生は、いわずと知れた「国家危機管理」の第一人者で、
「危機管理」という言葉の生みの親です。

 

警視庁時代から数々の修羅場を潜り抜け、その後も警察庁や防衛庁、
内閣安全保障の分野で危機管理を多く担当されて来られ・・・

同時にそれに対する記者会見は数千回も行われた方です。

 

佐々先生とは、もう10年の師弟関係にありますが、

先生は常々

「消極的コンプライアンス」
「積極的コンプライアンス」

という言葉を口にされます。

 

日本的な「なにもしないのが一番」といった消極的コンプライアンスはダメで、
常にに「相手がある」ことが前提であって、

 

また

「コンプライアンスを“法令順守”と表現することは不十分」

「コンプライスは、英語では“応諾”という意味がある」


「コンプライアンスは組織防衛だ。組織に対するあらゆる悪い情報を
いち早く入手し、トップを中心に決断し応諾すること」

 

と、常々おっしゃいます。

 

よく、謝る側が 「法的には問題ない」 と言い、
「法的責任を果たせばOK」 と考えているけれども・・・

 

追及する側(マスコミ)は、法的責任に加えて、
道義的・社会的な責任も果たすべきだと考えている・・・

 

ということです。

 

著書の中では、

・記者会見で嘘は禁物。
・言えないことは言えないという。
・知ったかぶりは禁物。
・ミスリード的相槌を慎む。
・逃げない、待たせない。
・マスコミの締め切り時間への配慮をする。
・オフレコの活用

など書かれています。

 

もう1冊は、田中辰巳さんの著書

「それなら許す!~あなたと会社を救う謝罪術~」

です。

 

田中辰巳さんは「リクルート事件」の渦中で秘書課長、広報課長、

総務部次長、業務部長を歴任され・・・

 

このときの厳しい体験をもとに、現在は企業危機管理の専門家として活躍されています。

 

私はちょうど田中さんがリスクヘッジという企業危機管理の会社を設立されて間もない頃に、

政府系機関のセミナーで登壇された田中さんのお話を聞いたり・・・

 

その後も、金融機関のセミナーや経済団体の研究会でお話を伺う機会がありました。

 

講演やセミナーでは、後述の「社長限界でしょ」のほかに

「謝罪には“癒す”“腑に落ちる”“許される”“忘れる”4つが揃ってはじめて完結する」

と仰っていました。

 

 

著書の中では、記者会見における謝罪のあり方として

・謝意の表明
・調査結果の報告
・原因分析
・改善案の提示
・処分・賠償

の順に、説明して謝罪すすべきだと書かれています。

 

この項目の頭文字を取った『謝・調・原・改・処』をもじって

「社長限界でしょ」
と覚えればよい・・・と述べておられます。

 

また

・言い訳や反論をしない
・嘘や隠蔽をしない
・曖昧な言葉を使わない
・方向を間違えない
・遅くならない
・早とちりしない
・足並みを乱さない
・処分を怠らない

といった事も述べておられます。

 

お2人とも、事例を交えた読みやすい文章を書かれます。

時間があったら、ぜひお読み下さい。