社長ブログ

「謝罪会見」に役立つ2冊の本をご紹介します

2013/11/08 最終更新日:2015/01/06| ブランディング, マネジメント・業務改善

 

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「コンプライアンス経営」という言葉が一般的になって随分と歳月が経ちますが・・・

 

ホテルでの偽装表示問題が次々と明るみになり・・・

とうとう百貨店にまで広がり・・・
多くの会社で謝罪会見がありました。

 

また、ネットショップでは、課題演出した店舗が
景品表示法違反の恐れ・・・

という事までおこりました。

 

これも「一種の偽装」ともいえますね。

 

 

このニュースが、広がりを見せると、
また、次々と 謝罪会見が行われるでしょう。

 

6年前の「船場吉兆の偽装問題」では、謝罪会見を行ったものの・・・

かえって世間の失笑を受けて、とうとう破産手続きにまで至りました。

 

個人の不祥事ももちろんですが、社会性のある企業の不祥事ともなれば、

その対応如何によっては

「企業生命を失う」

ことに繋がる訳です。
この「不祥事」ですが・・・

 

「うちの会社は法律違反はしていない」と思っていても
「倫理的におかしい!」と批判されたりします。

 

つまり・・・

 

「不祥事のモノサシ」というのは、
時代や環境、世情によって変わってくるものでして・・・

 

皆さんの会社が「不祥事に巻き込まれる可能性」というのは0%ではなく、
対岸の火事として笑ってばかりおれないのではないでしょうか?

 

情報化社会の中、危機におけるマスコミ対応というのは極めて重要になります。
現場での対応と同時に、マスコミ対策や記者会見は、もう一つの戦いでもある訳です。

 

 

なぜなら、マスコミ対応は、

「マスコミの先にある世間との重要なコミュニケーション」

でもあるからです。

 

 

そういった危機管理・・・

とりわけ「クライシスコミュニケーション」に役立つ
2冊の本をご紹介します。

 

1冊は、私のお師匠・佐々淳行先生の著書

わが記者会見のノウハウ―スキャンダル克服の秘訣」

です。

 

佐々先生は、いわずと知れた「国家危機管理」の第一人者で、
「危機管理」という言葉の生みの親です。

 

警視庁時代から数々の修羅場を潜り抜け、その後も警察庁や防衛庁、
内閣安全保障の分野で危機管理を多く担当されて来られ・・・

同時にそれに対する記者会見は数千回も行われた方です。

 

佐々先生とは、もう10年の師弟関係にありますが、

先生は常々

「消極的コンプライアンス」
「積極的コンプライアンス」

という言葉を口にされます。

 

日本的な「なにもしないのが一番」といった消極的コンプライアンスはダメで、
常にに「相手がある」ことが前提であって、

 

また

「コンプライアンスを“法令順守”と表現することは不十分」

「コンプライスは、英語では“応諾”という意味がある」


「コンプライアンスは組織防衛だ。組織に対するあらゆる悪い情報を
いち早く入手し、トップを中心に決断し応諾すること」

 

と、常々おっしゃいます。

 

よく、謝る側が 「法的には問題ない」 と言い、
「法的責任を果たせばOK」 と考えているけれども・・・

 

追及する側(マスコミ)は、法的責任に加えて、
道義的・社会的な責任も果たすべきだと考えている・・・

 

ということです。

 

著書の中では、

・記者会見で嘘は禁物。
・言えないことは言えないという。
・知ったかぶりは禁物。
・ミスリード的相槌を慎む。
・逃げない、待たせない。
・マスコミの締め切り時間への配慮をする。
・オフレコの活用

など書かれています。

 

もう1冊は、田中辰巳さんの著書

「それなら許す!~あなたと会社を救う謝罪術~」

です。

 

田中辰巳さんは「リクルート事件」の渦中で秘書課長、広報課長、

総務部次長、業務部長を歴任され・・・

 

このときの厳しい体験をもとに、現在は企業危機管理の専門家として活躍されています。

 

私はちょうど田中さんがリスクヘッジという企業危機管理の会社を設立されて間もない頃に、

政府系機関のセミナーで登壇された田中さんのお話を聞いたり・・・

 

その後も、金融機関のセミナーや経済団体の研究会でお話を伺う機会がありました。

 

講演やセミナーでは、後述の「社長限界でしょ」のほかに

「謝罪には“癒す”“腑に落ちる”“許される”“忘れる”4つが揃ってはじめて完結する」

と仰っていました。

 

 

著書の中では、記者会見における謝罪のあり方として

・謝意の表明
・調査結果の報告
・原因分析
・改善案の提示
・処分・賠償

の順に、説明して謝罪すすべきだと書かれています。

 

この項目の頭文字を取った『謝・調・原・改・処』をもじって

「社長限界でしょ」
と覚えればよい・・・と述べておられます。

 

また

・言い訳や反論をしない
・嘘や隠蔽をしない
・曖昧な言葉を使わない
・方向を間違えない
・遅くならない
・早とちりしない
・足並みを乱さない
・処分を怠らない

といった事も述べておられます。

 

お2人とも、事例を交えた読みやすい文章を書かれます。

時間があったら、ぜひお読み下さい。